東北の住民参加型ニュースサイト「TOHOKU360」を2016年から創設し、現在まで運営。初期は「日本初のVR動画ニュースサイト」として報道の可能性を広げたほか、VR動画を通じた観光振興などで多くの企業や自治体ともコラボ。毎年「東北ニューススクール」を開き、住民から記者を養成する新しい報道のあり方を追求している。
「誰もがニュースを書ける世の中になれば、ニュースはもっと多様で豊かになるはず」。
そんな一つの仮定から始まったニュースサイトが「TOHOKU360」だ。その最大の特徴は、「住民」がニュースを書くこと。これまでプロの記者だけでは手の届かなかった網目の細かい地域・分野の情報を、地域を誰よりもよく知る住民の手で見つけて発信することがねらいだ。
TOHOKU360では、東北6県にいる約60人の通信員(2023年1月現在)が、自分の住んでいる街の人やできごとを自由に取材して全国に記事を発信している。筆者は2016年から手探りでこのしくみを構築し、運営してきた。その中でわかった「住民参加型」ニュースサイトの可能性と課題、そして地域でインターネットメディアを運営することの意義について、その現在地をありのまま報告したい。(『市民が育む持続可能な地域づくり』(同時代社)より)
TOHOKU360|東北のみんなで東北を伝えるニュースサイト
『住民参加型』ニュースサイトが地域社会を変える|TOHOKU360編集長 安藤歩美さん(宮城県仙台市)